本作は1965年にサンフランシスコで行なわれたライヴを収録した作品で、サンフランシスコでのライヴ作品といえば『ライヴ・アット・シュガーヒル』を連想するが、本作の舞台となったジャズ・クラブについての記載や資料がどこにもなく、『ライヴ・アット・シュガーヒル』の続編的な作品とはいえ少々判然としない。
しかしこの時期のカーメンはいたって快調そのもので、バックは安定のノーマン・シモンズ・トリオがここでも絶妙な伴奏を行いカーメンを盛り上げる。
セットリストは「ザ・レディ・イズ・ア・トランプ」や「マイ・シップ」、「ミーニング・オブ・ザ・ブルース」などお馴染みのスタンダードが並ぶが、どの曲もカーメンのジャズ・シンガーとしての貫禄が充分に表れた素晴らしいライヴ作品。
カーメン・マクレエの魅力はライヴにあり、だ。