巨人アート・ファーマーが1972年にオーストリア放送オーケストラ（ORFシンフォニー・オーケストラ）をバックに録音したウィズ・ストリングス作品！指揮者は映画音楽家としても知られるオーストリアのヨハネス･フェーリング。
オーストリア放送オーケストラは1969年に文字通り国営放送の専属オーケストラとして発足し、1996年にその名をウィーン・ラジオ・シンフォニー・オーケストラと名を変えたが現在もテレビ、ラジオの番組を支えるウィーン指折りの楽団だ。
そこから派生する形で1971年にフェーリングが立ち上げたのがORFビッグバンドで、本作はオーケストラとビッグバンド双方のミュージシャンを交えたスモール・オーケストラの編成となっている。
フェーレントがリーダーのORFビッグバンドには設立当初、ベニー・ベイリーやファーマー、ジミー・ヒース、スライド・ハンプトンらアメリカ人渡欧組も加わっており、お隣ドイツのケニー・クラーク～フランシー・ボラーン・ビッグバンドをライバル視したかのようなビッグバンドで、後年アレンジャー兼コンダクターとしてアーニー・ウィルキンスやピアニストのジョルジュ・グルンツも在籍したウィーンの名門ビッグバンド。
その名門バンドをバックにファーマーがウォームなフリューゲル・ホーンで軽やかに歌いスウィングする！